裁量労働制

裁量労働制


裁量労働制とは、行う業務の性質上、業務の遂行の手段や時間配分などについて使用者が具体的な指示をしない制度です。
専門性の高い業務を行う労働者や、事業運営上の企画・立案などを行う重要なポストにある労働者については、通常の労働者と同じに使用者が始業から終業までの労働時間を管理することが難しく、むしろ具体的な仕事の進め方について労働者の裁量に任せる方が成果や能率を上げることが期待できると考えられます

 

裁量労働制の形態

  専門業務型裁量労働制 企画型業務型裁量労働制
対象となる労働者 デザイナー、システムコンサルタントなどの専門的な業務に就く労働者 事業運営の企画、立案、調査及び分析
実施手続き 労使協定で制度の内容を定め、その協定を所轄労働基準監督署長へ届出
労働時間の取扱い 労使協定で定めた時間働いたものとみなす。


◆専門業務型裁量労働制

◎対象業務

@新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
A情報処理システムの分析又は設計の業務
B新聞若しくは出版の事業おける記事の取材若しくは編集の業務又は放送法の制作のための取材若しくは編集の業務
C衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
D放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
E広告、宣伝等における商品等の内容、特徴等に係る文章の案の考案の業務(いわゆるコピーライターの業務)
F事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務(いわゆるシステムコンサルタントの業務)
G建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(いわゆるインテリアコーディネーターの業務)
Hゲーム用ソフトウエアの創作の業務
I証券アナリスト
J金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
K学校教育法に規定する大学における教授研究の業務(主として研究に従事するもの)
L公認会計士の業務
M弁護士の業務
N建築士(1級、2級の建築士及び木造建築士の業務
O不動産鑑定士の業務
I弁理士の業務
Q税理士の業務
R中小企業診断士の業務

★制度導入のための手続き

労使協定で下記の事項を定めること
@制度の対象とする業務
A対象となる業務遂行の手段や方法、時間配分等に関し労働者に具体的な指示をしないこと。
B労働時間としてみなす時間
C対象となる労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置を具体的内容
D対象となる労働者から苦情の処理のため実施する措置の具体的内容
E協定の有効期間(3年以内とすることが望ましい)
FC及びDに関し労働者ごとに講じた措置の記録を協定の有効期間及びその期間満了後3年間保存すること。

 

◆企画業務型裁量労働制

事業の運営に関する、企画・立案・調査及び分析の業務

労使委員会を設置する


1.対象業務の具体的な範囲

a.業場の運営に影響を及ぼす事項又は事業に係る事業の運営に影響を及ぼす独自の事業計画や営業計画についての業務
b。企画、立案、調査及び分析の業務
C。業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があると客観的に判断される業務
d。企画、立案、調査、分析という相互に関連し合う作業を、いつ、どのように行うかなどについて広範な裁量が労働者に認められている業務
以上のすべてを満たす必要があります。


2.対象労働者の具体的な範囲

対象労働者は、「対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者」であって、対象業務に常態として従事している必要があります。
対象労働者の範囲は、対象業務ごとに異なることもあり得ることから、その範囲を特定するため、職務経験年数、職能資格等の具体的な基準を明らかにする必要があります。
例えば、「大学の学部を卒業して5年程度の職務経験」「主任(職能資格○級)以上の労働者」というような具体的な範囲を定める必要があります。

 

3.みなし労働時間

みなし労働時間は1日について対象労働者の労働時間数として、具体的に定める必要があります。
休憩、休日、深夜業に係る規定は、原則どおり適用されます。


4.労働時間の状況把握方法、健康及び福祉を確保するための措置の具体的な内容

使用者は、対象労働者の労働時間の状況等の勤務状況を把握するため具体的な方法を定めなければなりません。
その方法として、いかなる時間帯にどの程度の時間在社し、労務を提供し得る状態にあったか等を明らかにし得る出退時刻又は入退室時間の記録等によらなければなりません。
又、勤務状況に基づいて、対象労働者の勤務状況に応じて、どのような健康・福祉確保措置をどのように講ずるかを明確にする必要があります。

5.労働者からの苦情の処理のための措置の内容

苦情の申出の窓口及び担当者、取扱う苦情の範囲、処理の手順・方法等について具体的内容を明らかにする必要があります。

E労働者本人の同意を得なければならないこと及び不同意の労働者に対する不利益取扱いをしてはならないこととされています。

労働者本人の同意は、労働者ごとに、かつ、決議の有効期間ごとに得る必要があります。

F決議の有効期間

3年以内とすることが望ましい

G企画業務型裁量労働制の実施状況に係る以下に揚げる事項の記録の保存

・対象労働者の労働時間の状況
・Cにおいて使用者が講じた措置
・Dにおいて使用者が講じた措置
・Eにおいて得た労働者本人の同意

◎労使委員の4/5以上の多数決

◎労働基準監督署長に決議を届け出る

決議が行われた日から6ヶ月以内ごとに1回届出。

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